covid-19
「双極性障害の方々へ」
新型コロナウィルス感染症の蔓延という困難な時期を乗り切るためのアドバイスを考えました。
そもそも、双極性障害の経過が悪くなる要因は3つあります。
1)薬を飲まなくなること
2)ストレスとなる出来事が起きること
3)リズムが崩れること
この3つの要因に対する対応策です。
1)今こそ服薬や治療に主体的に取り組みましょう。この機会に、病気のことや薬のことを勉強してみましょう。ネットで検索する場合、厚生労働省のホームページのサイト内検索を行うことをお勧めします。
2)起きてしまっているストレスを軽減しましょう。
(ア)コロナのニュースを見すぎない(内閣府のHPのみにするなど)
(イ)Stay Homeによって増える家族のストレスを減らす。そのために、
①意見のすれ違いを避けるためによく話し合う
②互いを思いやる
③楽しい話題を心がける
④どうしてもストレスを感じるときには距離を置く
(ウ) 相談所やデイケアなどに通えない分、普段より積極的に医療関係者、支援者などとつながるよう心掛ける。
3)リズムとは、時間的リズムだけでなく人との交わりや活動などに関連した社会リズムもあります。リズムが狂いがちな今、その影響を最小限に抑えるために以下のことを試してください。
(ア)時間的なリズムを保つ
①起床時間、食事の時間を一定に保つ
②日中は日に当たる、部屋を明るくする
③リズムを崩しやすい行為(ゲームのやりすぎなど)を慎む
④遅い時間のコーヒーや寝酒を慎む
(イ)社会リズムを保つ
①職場や事業所の仲間などとビデオ電話やLineなどでつながる
②電話相談、電話受診を頻回に利用する
③小説などを読む
大変な時期ではありますが、こんな時こそ、人と人との心の距離だけは縮めて、連携していきましょう。また、(勉強するなどして)いい意味で病気との距離も縮め、より治療に対して主体的となり、さらには家族や医療者とよりよい関係作りをしていってほしいと思います。
★当事者会で「コロナにかかって死んだら楽だなあって考えてしまう」などという発言も聞かれますが、決して自ら感染を招くような行為はしないでください!
参考文献)水島広子:対人関係療法でなおす双極性障害 2010年,創元社
鈴木映二(東北医科薬科大学 精神科)