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covid-19

「情報パンデミックに気をつけよう」

感染症の流行や大きな自然災害のときには、うわさやデマも含む非常に多くの情報が拡散されます。情報が感染症のように伝わり、それによって社会が混乱する状況は、情報パンデミック(インフォデミック)と呼ばれています。
現代は情報テクノロジーの発達によって誰もが容易に情報発信できるようになり、その分、内容も玉石混交になりがちです。感染症に適切な対応をするためには情報が必要ですが、過剰な情報や偏った情報、誤った情報は、心の健康に悪影響をおよぼしかねません。栄養は生きていくために必要ですが、過剰な栄養や偏った栄養は体をこわしかねないのと同じです。情報パンデミックは、不安や恐怖など、さまざまな心理的影響をひきおこすだけでなく、買い占めなどの社会現象、人間不信や偏見などにもつながります。そのような悪影響を少なくするためには、次のようなことに気をつけましょう。

・感染症に関連するニュースやワイドショーばかり見続けたり、インターネットでの検索を長時間続けたりせず、不安を引き起こすような情報から離れる時間をつくること。
・ブログやSNS(ツイッターやFacebookなど)の情報については、情報源が信頼できるか、科学的根拠があるものかを特に慎重に判断すること。
・根拠が不確かな情報を拡散(リツイートなど)しないこと。
・公的機関から提供されている情報を確認すること。

不安な気持ちから情報を求めて長時間のテレビ視聴やネットサーフィンをしてしまい、関連情報に接しすぎることでますます不安になる、といった悪循環は、誰にでも起こり得ます。この悪循環を断ち切るためには、意識して関連情報から離れることが大切です。対面での接触が制限されている中、SNSは普段以上に重要なコミュニケーションツールとなっていることでしょう。疲れた心には、不安を煽るような情報が入り込みやすくなっています。こういうときだからこそ、不確かな情報に振り回されないように、その情報の真偽を慎重に確かめましょう。

藤井千代(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター)