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covid-19

「自粛生活におけるアルコールとのつきあい方」

ぜひとも知っておいてほしいことがあります。大きな自然災害や疫病流行の後は、先の見えない不安のなかで人々のアルコール消費量が増える傾向があります。

コロナウィルス感染拡大防止のための現在の自粛生活ではどうでしょうか? 在宅勤務の人の場合、通勤が不要なので早起きのプレッシャーがありませんし、オンライン飲み会ならば、終電を気にせず、酔い潰れても自宅という安心感があります。だらだらと長時間の飲酒が許される環境が整っているのです。そこに、「先の見えない不安」が加わったらどうでしょうか? うかうかしているとつい飲み過ぎてしまいそうです。

提案があります。飲酒量のセルフモニタリングです。その日に摂取した純アルコール量を示す、「ドリンク」という単位で考えます。1ドリンクは純アルコール10g分のアルコール飲料の量で、「アルコール飲料量(ml)×アルコール含有率×0.8(アルコールの比重g/ml)÷10(g)=ドリンク数」で算出できます。ビールのロング缶半分=日本酒半合=ワイン1杯半=ウィスキーシングル1杯=1ドリンクを目安にしてもよいでしょう。

健康被害が少ない飲酒は1日に2ドリンクまでです。それが無理でも、せめて4ドリンク以下に抑えましょう。一方、6ドリンク以上の飲酒は、内臓疾患や依存症への罹患リスクが非常に高く、できるだけ避けるべきです。なお、昨今人気のストロング系酎ハイ(アルコール度数9%)ですと、ロング缶1本で3.6ドリンク、2缶だと7.2ドリンクです。

アルコールによる酩酊が家族関係の悪化させうることも意識しておいてください。「3密」を避けて「Stay home」を実践していると、皮肉にも家の中はかなり「密」になり、外出できないストレスと将来への不安がないまぜになって、ともすれば一触即発の状況となりがちです。そして、そこに酩酊が加わると、感情のコントロールが効かず、心ならずも暴言や暴力へと発展する危険があります。

もしもご家族の誰かのアルコールの飲み方に異常を感じたならば、まずはご家族が、各県・政令指定都市の存在する精神保健福祉センターに連絡を取り、ご本人への対応方法を相談するとよいでしょう。

松本俊彦(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター)