covid-19
「高齢者の心の健康のために」
新型コロナウイルス感染症は、高齢者で重症化しやすく、死亡率が高いことから、感染するのではないかと不安な方も多いと思います。しかし、このウイルスは空気から感染はしません。正確な情報収集を行い、不必要に恐れずに、手洗い・うがい・「三密」(密閉・密集・密接)を避けるなどの感染防止策をきちんととりましょう。
ずっとTVを見ることは避けましょう。災害関連のニュースを見続けていると、そのことばかりで頭が占められ、気持ちが滅入ってきます。物資は十分にあります。食料品やマスクなどの買いだめはしなくても大丈夫です。
毎日の生活を維持するために必要なことをしましょう。具体的には、料理、洗濯、掃除、そして読書などです。これらを、丁寧に行っていくことが大切です。バランスのとれた食事をとるよう心がけて下さい。
体のケアをしましょう。今日まで自分を支えてくれたこの体をいたわり、感謝しながらケアをするとよいでしょう。 外出自粛が求められていますが、ずっと屋内に引きこもっていると身体の機能が低下してしまう可能性があります(これを「フレイル」と言います)。人込みを避けて外出したり、屋外を散歩したりしましょう。自宅でできる簡単な運動をしましょう。
家族と話す、知人に電話するなど、社会性を保つようにしましょう。一方で、他の方と同居している場合、ずっと顔をつき合わせて暮らしていると、お互いに干渉したり、ぶつかったりしてしまうことがあるかも知れません。一人で過ごす時間も大切です。自分を見つめる時間も持ってください。
在宅で過ごす認知症高齢者の方は、デイサービスの休止などで、意欲の低下、認知機能の低下、筋力低下をきたしてしまう可能性があります。なるべくリズムを崩さないように生活を心がけて下さい。
新村秀人(慶應義塾大学医学部精神神経科学教室)